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ある日……。 娘の“莉心”が早退してきた。 ふらふらする娘を見て、私はすぐに身体を支えながらあれこれと声をかける。 「どうしたのよ、あんた。なんでこんなに早く……」 「ママぁ、調子悪い……具合悪いってゆうか、気分悪いってゆうか…… そんで早退してきたぁ……うう……ふ~……なんでいきなりこーなったんだろ…… 忙しい時に限ってさぁ……部活と、その後の……あ~……」 なんだか知らないけど、今日の部活にずいぶん未練があるようだ。 いつもは、頑張ってはいるみたいだけどそこまですごく熱心ってわけじゃないのに。 「まったく、具合悪いくせに……どうしても部活に出たかったわけ? とにかく、具合悪いんだから寝てなさいよ。 でもそんなに大事な用があるんなら、ママがあんたの代わりに登校しちゃおっかな……なんて、くすっ……」 「……それだ! ママがあたしになればいーじゃんっ! ママがあたしの代わりに学園行くんだって!」 冗談で言っただけなのに、莉心は目を輝かせ、私の手を引っ張った。 そして、吐きそうだの気持ち悪いだの時折顔をしかめながらもチャキチャキ動いて、 部屋にある予備の制服を取り出し始めて…… こうして私の娘、“莉心”のとんでもない提案から始まった入れ替わり通学。 そして、私は………。
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