僕の好きな人の好きな人は、女装した僕でした

両親の仕事の都合で、一家で海外で暮らしていたが姉である蛍乃千鶴が製作した服を女装が似合う弟の蛍乃春樹（主人公）に着せてSNSに投稿すると、予想外の反響を浴びてしまう。
それを期に千鶴は世界的に有名なファッションデザイナーとして活躍をはじめ、
春樹はその専属モデルとして姉とセット扱いになり、家計の手助けをするためにも女装をし続けることになる。
ただ海外生活になじめなかった姉は僕を連れて日本に戻ること決める。

僕と姉が日本にもどってきて二週間が経ったある日、
ひと目見ただけで良家のお嬢様だとわかる女性が家を訪ねてくる

「も、もしかして、あなた……」
「蛍っ……！蛍よねっ？私よ、わからないっ……！？」

肩を揺らして尋ねてくる彼女の顔を見て、不意に幼い日の思い出が脳裏をよぎる。
何年経っても色あせることなく、瞬時に思い出せる彼女の顔。
僕の心を虜にし続けてきた女の子の顔。

大好きなあの女の子の顔が――

だがもうひとつ思い出したことが…
そう、僕はあの時もお姉ちゃんの着せ替え人形として女装させられていた。
詳しく事情を話すために部屋招き入れたとたん彼女は僕の部屋にある僕の男の姿の写真を見つける。
そして

「どういうことですか！？この男！」

僕は 女装がばれたかと思いきや、
「もしかして、あなたの好きな男ですか！？」
「この写真の男の子が好きだから……。私とは付き合えないってことなのね？」
「こんな男に絶対負けない！私は蛍と結婚するの！」
彼女は更なる勘違いをしてしまう。

僕と彼女と女装した僕。
この複雑な三角関係の中で、主人公は恋を実らせることが出来るのか？