虜ノ麗 ～男の園に紛れこんだ一輪の紅い花～

矢神やがみ翼咲つばさは、１人暮らしをしている女子学生。
両親を亡くした後、姉の紗羽さわと２人で暮らしていたのだが、
紗羽さわが全寮制の男子校・私立煌正こうせい学園へ教師として赴任することが決まり、別々で暮らすことになってしまう。

離れていてもお互い上手くやっていけると思っていたのだが……。
ある日、紗羽さわとの連絡が急に途絶えてしまう。
失踪届を出し、学園にもいろいろ問い合わせてみるがなかなか捜索は進まない。

親友の水守みずもり惺せいと共に自分たちでも紗羽さわを捜していると、２人は煌正こうせい学園についての悪い噂を多く目にしてしまう。

ネット上の根も葉もない噂……とは言い切れないような内容を読んだ翼咲つばさは、
このままでは紗羽さわの失踪も闇に葬られるのでは？　と強い危機感を覚える。

いっそ学園に転入して自分で調べればいいのでは？　と思い付くが、それには１つ大きな問題があった。
それは、煌正こうせい学園は「男子校」で翼咲つばさは「女の子」ということ。

そこで翼咲つばさは「男装して男子として転入する」という方法を実行することに。
無謀にも思えたが、惺せいの協力もあり、男子学生・矢川やがわ翼つばさとして転入に成功する。

独自の捜索を続ける中、紗羽さわの親友である美術教師・卜部うらべ甘那かんなや、
なぜか学園内で姿を見かける女子・柚井ゆい乃衣果のえかと出会い、少しずつ真実へと近づいていく。

もう少しで紗羽さわに辿りつける……と思っていた矢先、とある相手に翼咲つばさの正体がバレてしまう。
その相手は、学園の裏の面に深く関わっている男で、弱みを握られた翼咲つばさは言われるまま……。

果たして、翼咲つばさは紗羽さわと再会することができるのか？ それとも、男の園の中で身も心も堕とされてしまうのか……。