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とある実家に戻った日の事。 「あんた、近所の子のことって覚えてる? 塩澤さんとこの、詠美ちゃんなんだけど……ほら、あんたより年下の女の子で……」 突然母からそんな事を言われた。 「家庭教師を探してるみたいなのよ、あそこの親御さんたちが……奥さんから相談されたんだけどね。バイト代は、結構いいみたいよ?」 そして塩澤さん家の詠美ちゃんとやらの家庭教師依頼を受けることにした俺は、母さんに場所を訊いて塩澤家を訪ねた。 会ってみると確かに昔、近所にこんな子いたかもと薄っすらと思い出した。 俺より年下の、おとなしくて太ってる女の子……がいた気がする。 顔ははっきり思い出せないものの……。 そして家庭教師として会ううちに人見知りだった彼女もやっと打ち解けやがて突然の告白をされる。 しかしここで普通に『詠美ちゃんのことは、可愛い教え子としてしか見られないから』なんて断れば、コンプレックスの強い彼女はきっと……。 さすがにまずいし誤解したまま落ち込むのはかわいそうなので、危険ではあるけれど仕方なく、俺は自分の性癖を正直に話して断ることにした。 「あ、い、いや、俺ね……俺は、SMのS、サディストの変態だからさ……付き合ったら詠美ちゃんを心身ともに傷つけることになるから……ダメだよ」 詠美ちゃんはやはり驚いていた。 でも、悲鳴を上げたりすぐに『嫌です』とは言わない。 そして…… 「……ちゃんとしたマゾヒスト……えっと、M〇隷になれるか自信ないけど、でも……でも、お願いします、彼女にしてください……! お願いします! 私、マゾになります! M〇隷になりますから、彼女にっ、あの、ええと、S先生の彼女にしてください!!」
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