「お兄ちゃん、相談があるんだけどっ! 花嫁修業の練習台になって」 「花嫁修業……の練習台?」 「一通りの家事とかはお兄ちゃんで試したから、今度は……今度はその……夜の花嫁修業っていうか……。わかるでしょっ!」 俺“分部光良”と“中川原夏彦”そして彼の妹“中川原七香”とは、幼馴染で小さい頃から一緒に過ごしてきた。 今では男である俺の部屋に“七香”が押しかけてくるのがそれほど珍しくないくらいには、 気の置けない関係であり、何故か二人きりの時だけ、彼女は俺のことを『お兄ちゃん』と呼んでくる。 そんな彼女がある日、そんな事を言い出したのだ。 「夜の花嫁修業?」 「そうよ。夜の花嫁修業よ」 花嫁修業に昼と夜との違いがあるのだろうか? 「な、何で俺なんだよ。夏彦に頼めばいいだろ?」 「はぁ? 本当のお兄ちゃんに、そんなこと頼めるわけないでしょ!」 『いや、どんな内容なんだよっ?』とは聞き返さなかった。 「こんなことを頼めるのは、お兄ちゃんしかいないの。だからお願いっ!」 結局“七香”の剣幕に押され『夜の花嫁修業』を手伝う事になり、 「それじゃあ……さっそく始めるね」 と、言うと“七香”は、自らの服に手をかけて脱ぎ始め―――。
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