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「このような質問、失礼だとは思うのですが……。なぜ、私を採用されたのでしょうか?」 彼女の学歴。 就職するも、半年で離職する。 その後は、資格を取るでもなく数年間をアルバイト。 普通に考えれば、こんな経歴の女を社長秘書として採用するわけがない。 『普通に考えれば』の話だが。 「君の疑問はもっともだ」 秘書の仕事で最も大事なのは『顔』としての役割だと俺は答えた。 直接的な賞賛をされて、彼女は顔を赤らめる。 容姿を褒められた経験が少ないのだろう。 「それで……私の住むところは……どこでしょうか?」 秘書の募集は、住み込みを条件にしてかけている。 これも異例だ。 「君が住んでもらう住居へは、今日の夜に案内する。今夜は予定などを入れないように」 「はい……」 「取りあえず、今日のところは研修を受けてもらう。研修というよりは自習だな。教材は用意してある。秘書室があるから、そこで勉強してくれ」 俺は、秘書室の扉を開けてやる。 「承知しました……」 彼女は秘書室へ入ってゆく。 その扉を閉めてやってから、俺はひとり頬をゆるめるのだった。 彼女は、まだこれからどうなるのか知らないのだ……。 まさが自分が肉体を差し出す事になるとは……。
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