公众号: 月幕Galgame
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「ほら、たっくん。忘れ物はない? ハンカチとティッシュは持った? 鉛筆はしっかりと削ってあるかしら? ああ、心配だわぁ……」 これは、何時もの朝の一幕。 出かけようとするボクを引き留め、あれこれとチェックしてくる……そう、ボクのママは超が付くほどの過保護だ。 そんな、ある日。 平々凡々な(とは言ってもママ塗れの)生活を送っていたボクに、衝撃的な出来事が巻き起こった――。 「拓馬くん……好きです! あたしと……付き合って下さいっ!」 何とボクは、告白されたのだ。 そして――特に断る理由もなく、そのままお付き合いする事に。 その晩、ボクは食事の場で何度もため息を吐いていた。 勢いのまま、お付き合いするになったのは良いが……それをどうやってママに伝えようか悩んでいたのである。 「あら、どうしたの? 今日はやけにため息が多いわね」 ボクは意を決して、大きく息を吸い込む。 「……実はね、クラスメイトの女の子に告白されたんだ。それで、お付き合いすることになった」 「………………まぁ、そう。それは良かったわね……おめでとう、たっくん♪」 やたらと妙な間があったのは少々気になったが、肯定的な反応にボクはホッと胸を撫で下ろした。 そして、翌日。 身支度を整えたボクを、ママはいつも通り玄関前で見送ってくれる。 良くも悪くも、変化のない日常。そう、ボクに彼女ができたとしても……ママとの関係は今まで通り――では、無く――。
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